薬剤師国家試験を控えた6年生の秋の過ごし方

今日のブログは久しぶりの小説風の投稿である。
これは本当にリアルな話。地獄のような日々であった。

薬剤師国家試験に最速で合格する勉強法などと宣っているものの、
実際の勉強は、本当に泥臭く、地味な毎日を送っていた。
本日のブログではそれをわかってほしい。
魔法のような方法などは存在せず、結局努力がものをいうということ。


大学の授業を終え、図書室や食堂など、各々の勉強場所へと向かう同級生達を尻目に、自転車に乗り全速力で帰宅する。

勉強を始めた時には、まだ暑く汗ばむほどであり、授業が終わってもまだ明るかったが、いつのまにか日も短くなり、吐く息も白い。

学校を後にしてわずか5分で家に到着し、荒い呼吸を整えてから水を飲んで着替えをする。

夜の勉強前に昼寝をするのだ。
時間的には昼寝というより仮眠であるのだが。

その頃、僕は1日を2つに分けて生活していた。まるで30分アニメのようである。

朝起き、学校で授業を全力で受けるAパート。

そして家に帰り、
1時間仮眠(CMを挟み!)をとった後にファミレスで日付が変わる直前まで勉強をするBパート。

学校の授業や、予備校の授業は全力で受けると決めていたため、夕方にはもう夜まで勉強する集中力は残っておらず、こういう形になったのだった。

ちょうど定期テストの前もいつもこういう生活を送っていたのを思い出す。

1日2回、世界の終わりのような気分で目覚め、着替えてからまた自転車に乗る。

この自転車が壊れたら終わりだろうな、などと意味のないことを考えながら走る。


いつものファミレスに着き、いつもの店員に案内され、いつものソファ席に着く。

既に友人は着いていた。

「おう」
「よう。お疲れ。」

勉強中に話すときはなるべく明るく振る舞うようにしているが、やはりお互い気は重い。
挨拶は手短になってしまう。そもそも今日会うのも2回目だし。

夕飯がまだなので、注文をしようとするが、もうとっくにファミレスのメニューには飽きていた。
メニューなんて開かずともラインナップはわかる。
そして、その中に食べたいものなんてひとつもなかった。げんなりする。

5分経っても食べたいものが決まらないので、ドリンクバーとハンバーグセットを注文した。そしてそれを胃に流し込み、今日の勉強を始めるのだ。
そして、深夜料金が加算される10時直前に、僕らはピザかポテトを注文するのだった。

ルーティーン化した食事はかなりのストレス負荷であった。
かといって、家からの距離、営業時間、お店自体の勉強への風当たりを考えると選択肢はここしかない。

必死に明るく振舞って今日の勉強もこなす。
12時を過ぎた頃に解散して、僕は風呂に入って、寝る前に少しだけ勉強して床に着く。
また明日も同じ繰り返しになるとわかっていながら。

親友の存在があったからこんな日々にも耐えられたのだろう。あいつがいなかったらとっくに投げ出していたに違いない。

部屋を真っ暗にしても、寝る直前まで今日暗記したことを反芻し続けた。そして今日がやっと終わり、僕の残りの時間が減っていく。


僕たちは、いつ明けるとも知れない闇の中を一歩一歩歩いているのだった。

最初に目指した指針から僕の道はブレていないだろうか。

闇の中には、まだまだ光が差す気配はなかった。


<次回予告>
もう頭がぶちぎれるんじゃないかという努力の果てに卒業試験の合格を得たが…
参考:(プロローグ)

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