プロローグ

夜になり、煌々と灯りがついた食堂で、同級生達が一様に背中を丸めて悲愴感さえ滲ませながら机に向かっている。

ーー

各々に審判が下されていく。あるものはその場で崩れ落ちて泣き、あるものは俯いたまま早歩きで食堂を後にする。

二百数十名在籍している6年生達がふるいに掛けられる瞬間である。

イケメンで成績が中の上だったA君が何も言わずに椅子を蹴飛ばして帰宅する。

真面目だけが取り柄のB君が顔を拭っている。

誰も自分の点数について言葉を発しないが、態度や雰囲気をみれば結果は大体わかる。

僕はどうか?
張り詰めた極限の緊張。ピンと張った糸が切れないよう必死に心を抑えながら自分の解答を確認し、正答率を出す。

6割6分。
ギリギリであるが合格だ。
安堵の息を漏らす。

僕達は異様な中に生きている。
思わず歪んだ笑みが溢れてしまう。

セーフティという名の愉悦。
あるギャンブル漫画で読んだ台詞が頭に過る。
命をかけたギャンブルを安全な場所でみているだけで幸福感を得られるという金持ち達の台詞である。

これから僕は、同じように合格した誰かを求めて居酒屋に行き、打ち上げをする。朝まで飲み会をするだろう。ひと時の休息だ。
一方彼らは、家に帰り泣きはらすか、最後の追試に臨みをかけてまた勉強に戻るのである。

ーー

合格者と不合格者を分かつものは何だろうか。僕はそれを常に考えながら勉強を続けてきた。

それは些細なことであるが、毎日が積み重なると取り返しのつかない差ができてしまう。

僕はかつて全ての定期テストで追試になり、当然の如く成績はビリに近かった男であったのだ。

だが、ちょっとの気付きとコツ、あと継続によって卒業試験、国家試験をクリアすることができた。

このブログを読んで、薬剤師国家試験に効率よく受かる方法を知っていただけたら幸いである。

まずは国家試験勉強の様々な罠を見切る所から始めようか。

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