「この患者さん、腎機能低下してるんですけど、この薬の用量これで大丈夫ですか?」
薬学実習生からの質問である。
質問を受けた薬は1つだが、
RPが沢山あるので全部一緒に考える。
「これは腎排泄で、これは肝代謝っぽくてこれも肝代謝かな。」
僕が見るとなんとなく、
腎機能が影響するような薬かどうかがわかるのだ。
暗記しているわけではない。
本当は覚えた方が良いのだろうが。
「結局のところ合ってるかどうかはちゃんと確認しなきゃいけないんだけどさ、何となくこうかな?ってのがわかるのも重要なんだよね。」
僕は調子に乗った指導をする。
だが。
「あ、でも先生、それ肝代謝じゃないです。間違ってます。」
「え?あ…そう。調べてくれてありがとう…」
ということがあったのだが、
今日は、
薬剤師国家試験に合格するために勘を鍛えようという話。
勘を鍛えようというと語弊があるが、
実務教科で未知の問題を解くために、
感覚を身につけようという話。
以前、
薬剤師国家試験模試では、
答えが分からなくても何とか食らいつけという話をした。
勉強を始めていない人はまず全問食らいついてみること。勉強を始めている人ももちろんやること。
薬剤師国家試験では、
過去問からはパッと見て解き方が全く分からないような問題や、
新記述も多数出題される。
特に顕著なのは実務で、
平気で全く知らない知識が出題されることも少なくない。
全く知らない問題は推理して解くしかないのだが、
その時に使うものこそ感覚だろう。
例えば腎排泄と肝代謝。
これが何となく分かるだけでも、
実務の複合問題に関しては役に立つに違いない。
ちなみにこれはある程度は覚える必要があるが。
僕の感覚だと、
水っぽいものは腎排泄、
構造式がめちゃくちゃでかいものは肝代謝、
CYPでの代謝がされるものは肝代謝みたいな雰囲気で考えていた。
正しい知識かは分からない。
あとは過去問で出たような薬は覚えて、
類似しているかどうかで代謝排泄経路は判断していた。
こういう感覚は、
おそらく、
沢山の問題を解く
又は
沢山の知識をインプットする
ことでしか鍛えられないと思う。
多少は暗記も必要である。
基礎的なものや入り口の知識は特に。
今日言いたかったことはつまり、
勉強の経験値が未知の問題を解くカギとなる。
ということ。
卒業試験に合格して、
たとえ時間がまだあったとしても、
気を抜かずしっかりと勉強を続けることが大切である。
ではまた明日。