薬剤師国家試験における相対評価とは何だろうか。
数年前から薬剤師国家試験の合格基準は相対評価となった。
だが、これは学生を競わせて成績上位者しか合格させないという意味ではない。
まずは、厚生労働省が出している「新薬剤師国家試験について」という資料の合格基準の項を引用する。
以下引用
合格基準
以下のすべてを満たすことを合格基準とすること。
なお、禁忌肢の選択状況を加味する。
1、問題の難易を補正して得た総得点について、平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定した得点以上であること。
2、必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上であること。
ここまで引用。
引用元URL(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/2_2.pdf)
とりあえず2については今回は話題にしない。
必須問題の足切り基準についてはちゃんと覚えて対策すること。
必須問題は9割取ろう
1が何を言っているのか解説しよう。
正答率を考慮してつくった345点満点で、みんなの成績をみて合格点を決めますよ
ってこと。
ポイントは二つ
①問題の難易を補正して得た総得点
②平均と標準偏差を用いた相対基準
①については、問題の難易度を確認して、不適切な問題であれば廃問にしますよ。
②については、みんなの成績をみて合格基準を下げますよ。
と、読み替えてみたらわかりやすいだろうか。
問題の難易度によって、不適切問題を廃問にするとはどういうことだろうか。
基準は何だろう
勘で解いた人しか正解していない問題を不適切問題と判断するということだ。
ずっと僕が、皆ができる問題をできるようにしようということを主張していたのはこの補正があるからなのである。
①は以前からだが、
②については第100回薬剤師国家試験の時に、225点という合格ラインを下げてもいいというルールがなかったため、大量の不適切問題と補正問題を出して無理やりに受験生の点数を225点に上げたことに起因する救済措置の意味合いである。
というわけで
絶対評価から相対評価に変わったとしても、依然としてクラスメイトはライバルではなく仲間だ。
蹴落とす必要などなくて、
今後についてはわからないが、今、そして数年は少なくとも違うはずである。